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フィギュアスケート国別対抗戦を展望 日本とアメリカの一騎打ちで勝負のカギを握るのは? (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【要警戒のフランス】

 ただ、男子は他国にも有力選手がそろっていて戦いの予想は複雑になってくる。なかでもフランスは要警戒だ。昨年10月にSPで96.74点を出しているアダム・シャオ イム ファは、ケガもあって不調に陥っていたが、世界選手権のフリーでは佐藤のシーズンベストを上回る188.26点を出して、総合4位と復調してきている。

 また、フランスには昨年10月にフリーで190.84点を出したケビン・エイモズもいる。今季は好不調の波が激しかったが、世界選手権ではSP4位で、総合順位は佐藤のひとつ上の5位と結果を残した。4回転はトーループのみだが、ブラウンと同じく演技構成点を確実に稼げる滑りをしていて、ノーミスの演技をすればさらに得点を伸ばす力がある。

 ほかにも、ジョージアにはSPで93.89点を出しているニカ・エガゼ、イタリアにはSPで93.82点(非公認)、フリーで181.84点を出しているダニエル・グラスルがおり、日本とアメリカにミスが出れば順位を落とす可能性もある。

 有力選手に注目が集まる個人戦とは違い、順位ポイントが重要になってくる団体戦は、すべての選手の演技が見逃せない。

著者プロフィール

  • 折山淑美

    折山淑美 (おりやま・としみ)

    スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。

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