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【フィギュア】復帰1年で世界女王のアリサ・リュウが語る「16歳での引退」「人生の優先順位」「恋しかった疾走感」 (4ページ目)

  • 野口美恵●取材・文 text by Noguchi Yoshie

【一時引退で気がついた人生における情熱】

ーー今回の世界選手権は、お父さまは見に来ていましたか?

 父は、ショートプログラムもフリーも会場で見ていましたが、もうカリフォルニアに帰りました。父にとっては、私のスケートだけがすべてではないですし、そういったスタンスは私の人生にとっても重要なことなのかなと思います。

ーースケートだけがすべてではない、というスタンスは昔からですか?

 そうですね。スケートは人生のほんの一部。ただ、スケートをすることで、私は地に足をつけていられる感覚はあります。引退して、スケート以外の人生も送ってみたことで、自分の人生における情熱や優先順位に自分で気づくことができました。スケートだけに必死になり、視野が狭くなる必要はないと感じています。

ーー「スケートは人生のほんの一部」という考え方だと、兄や弟、妹も、家族ぐるみでスケートを応援という雰囲気ではないのでしょうか?

 彼らも私のスケートに対しては興味がないです。私という人間そのものに対して、気をかけてくれます。だから一緒に食事に行ったり、遊びに行ったり、そういうことをお互い気をかけています。4人とも"きょうだいみたいなもの"ですからね。私が一番上なので、スケートのこと以上に、家族に対する責任を大切にしています。

ーー世界選手権後の記者会見では、きょうだいに最初に電話したと言っていましたが、どんなやりとりでしたか?

 私は弟に電話しました。彼は本当に喜んでいました。テレビで見ていたのですが、私のスコアがわかっていなかったので、動画やスコアを見たいから調べてほしいと言って、苦労していました。ほかのふたりの兄と弟は、テレビで見たのかどうかはわかりませんが、「よくやった、誇りに思うよ」というメールをくれました。あと妹はまったく見ていないと思います。むしろ彼女は、私がアメリカ女子で唯一の4回転ジャンパーだってことさえ知らないと思います。

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