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【世界フィギュア男子】鍵山優真VSイリア・マリニンはSPが勝負の分かれ目 五輪の3枠獲得も油断できない状況 (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi

【油断できない五輪出場3枠獲得】

 また、日本男子チームにとって重要なのは、五輪に向け、日本勢の出場3枠を獲得できるかどうかということ。

 日本勢は、鍵山のほか、佐藤駿(エームサービス/明治大学)と壷井達也(シスメックス)が出場。3枠獲得するための条件は、上位2人の順位合計を13以内にすること。たとえば鍵山が2位になった場合は、2番手が11位以内となる必要があるが、今季のシーズンベストランキングで佐藤が、285.88点で3位につけているのは心強い。

 前半戦はケガもあって不調だった昨季の世界選手権3位アダム・シャオイムファ(フランス)は、ヨーロッパ選手権ではフリーで大崩れしたが、前戦のソニア・へニー杯で優勝し復調の気配を見せる。今回も実力どおりの滑りをすれば、3〜4位に入ってくるだろう。

 しかしながら、シーズンベストでは3番目の佐藤も不安要素がある。プレッシャーのかかる全日本選手権では7位、年明けの2試合でも不調だった。出場選手の自己最高得点などを見れば、270点を超えてくる可能性をもつ選手が佐藤や鍵山も含めて12人ほどいる状況で、油断はできない。

 佐藤にとっては、これからの日本男子の中心選手になるための真価が問われる戦いにもなる。鍵山とマリニンの戦いとともに、注目したい。

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著者プロフィール

  • 折山淑美

    折山淑美 (おりやま・としみ)

    スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。

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