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新星・上薗恋奈はフリー進めず「悔しい」 三宅咲綺は高橋大輔の「根性」学び躍進...全日本女子の舞台裏ストーリー (2ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【フリー棄権の三原舞依は後輩にエール】

 一方、全日本では過去7大会すべてで5位以内に入り、2022年は2位だった三原舞依は、今年の全日本SPは23位だった。そして翌日、フリー棄権が発表された。本人は決して自ら明かさなかったが、足首や股関節のケガで十分に追い込むこともできなかった。

「集中力の天才」

 そう言われる彼女だが、限界を超えていたのだ。

「GPシリーズが終わって......最後の1週間の追い込みで、苦しい時間があって追い込みきれませんでした。それが今日のショートに出てしまって」

 三原はそう言って、気丈に説明していた。

「たくさんの選手がいろんな痛さや不安な面を抱えながら努力を積んで、試合でも全力以上を出せているんだと思います。そこが(今回自分は)うまく合わせられなくて。でも、多くのスケーターが目指す全日本という舞台で、諦めずに滑り続けるというのはできてよかったなって思います」

 そして彼女らしいのだが、三原は自分のことよりも同門の後輩である三宅咲綺を労い、エールを送っていた。

「(三宅)咲綺ちゃんは、全日本までの期間の練習をすごく頑張っていました。6分間練習が終わり、控え室で(三宅の演技への)声援を聞いていたら、大丈夫だなって思いましたね。(次の順番で自分が)リンクインする時に咲綺ちゃんの満面の笑みを見られて、私もすごく幸せでした。頑張っている姿を見ていたので、試合で出しきれてうれしいなって」

 彼女の思いは、しっかり結びついている。その絆がフィギュアスケートの核にあるのだ。

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