羽生結弦が能登半島地震復興支援チャリティー演技会に込めた想い 満ちあふれていた力強さ (3ページ目)
そして、その時交流した中学生たちには、こんなことを話したという。
「どんなに辛いことがあっても、いずれ時が来れば何かをしなければいけなくなる。どんなにやりたくなくても、どんなに進めなかったとしても、進まなきゃいけない。そんなことを話しました。震災から半年以上が過ぎて『何ができるか』とか『どんなことが進んでいるのか』など、いろんなことを考えると思いますけど、もうしょうがないって思うしかないところもある。でもその『しょうがない』の中に笑顔とか、その時の一生懸命がいっぱい詰まっていたらいいなって思っています」
羽生が演じた『春よ、来い』には、そんな想いが詰まっていた。繊細な滑りのなかに満ちあふれていた力強さ。そこには、子どもたちに話した「進まなきゃいけない」というメッセージも込められていた。
著者プロフィール
折山淑美 (おりやま・としみ)
スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。
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