上薗恋奈(13歳)は羽生結弦ら憧れの大先輩の演技に「オーラが違うと思いました」 『ファンタジー・オン・アイス』に初出演 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Sunao Noto/Fantasy on Ice2024

【羽生結弦ら先輩のスケーティングに感動】

 羽生だけではなく、アイスダンスのガブリエラ・パパダキス&ギヨーム・シゼロン(北京五輪金、世界選手権5回優勝など)や、ステファン・ランビエールらが圧巻の演技を見せたアイスショーだった。

「実際に間近で演技や練習を見ると、みんなすごく上手ですし、本当にオーラが違うと思いました。見習うところが多く、すごく学びました。練習のやり方だったりスケーティングであったり......。アイスダンスは、とくにスケーティングも美しいので、自分もできるようにしていきたいなと思いました」

 憧れている羽生の練習について、「練習のやり方だけではなく、自分に集中するという部分がとくにすごいなと思いました」と上薗は話す。

「演技を見てもやっぱり全然違いますし、一歩のスケーティングも一度押しただけですごく伸びますし、緩急をつけたスケーティングがすごく心に残りました。

(羽生の)ふたつのプログラムとも心を惹かれた演技だったと思うので、自分もそういうところをお客さまに感じてもらえるように、上手な選手の演技を見てもっともっと学んでいきたいなと思いました」

 他にもパパダキス&シゼロンや、2024年世界選手権2位のパイパー・ギレス&ポール・ポワリエの演技にも圧倒されたという上薗。

「羽生選手と一緒で緩急のつけ方と言いますか、演技の強弱がすごくあって、ふたりの息もすごく合っていると思いましたし、フリーレッグのきれいさもあらためてすごいなと感じ、自分もできるようにしたいと思いました。

 樋口(美穂子)先生とも、羽生選手やパパダキスさんたちの練習を見て話をしたりしました。今すぐ、こういうことをやってみようというのはまだありませんが、もっと滑りに強弱をつけること、体全体を動かしてフリーレッグをきれいにすること、そういう細かいところからやり直していきたいです」

 今回の出演は、前半2公演のAツアーのみだが、5月31日からは地元・愛知で開催される公演が待っている。そこでもまた、上薗は新シーズンに活かせる大きな収穫を手にするだろう。

【プロフィール】
上薗恋奈 うえぞの・れな 
2010年、愛知県生まれ。5歳の時からフィギュアスケートを始める。現在は、樋口美穂子コーチのLYSフィギュアスケートクラブに所属。2023−2024シーズンは、ジュニアGPファイナル3位、全日本ジュニア選手権3位、全日本選手権4位、世界ジュニア選手権3位など大躍進。

著者プロフィール

  • 折山淑美

    折山淑美 (おりやま・としみ)

    スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。

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