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坂本花織の葛藤と成長「アクセルも4回転もないのになんで世界女王やねんって言われて...」 (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi

【アクセルも4回転もない世界女王】

「まだ成長段階の途中だし、まだまだゴールしていない」と坂本は自分自身を見ている。ゴールとは何なのか。そのひとつが4回転ジャンプへの挑戦かもしれない。シーズンオフの間は、アイスショーが入ると練習時間が少なくなり、時間がとれる夏場は練習できるリンクが減って時間が限られてしまいなかなか取り組めていない。だが、来年あたり、始めてみたいともいう。

「周りからは『(トリプル)アクセルも4回転もないのになんで世界女王やねん』っていうのも言われることもあるけど、それは自分が一番わかっている......。大技を見たければ別に私を見なくていいし、跳ぶ選手たちを見ればいい。比較しなくていいと思っているけど、勝っているからそう見られるのだろうし。そう言われるのもけっこうイヤだなって思うし、いろいろですね」

 坂本は、そう心のなかの苦悩も吐露するが、ゴールのひとつである今季の全日本と世界選手権の3連覇へ向けた準備を進めている。坂本花織は、これからさらに成長していくはずだ。

著者プロフィール

  • 折山淑美

    折山淑美 (おりやま・としみ)

    スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。

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