坂本花織を追う次世代は百花繚乱 渡辺倫果、中井亜美、千葉百音、吉田陽菜が掲げる目標 (3ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

●成長著しい同世代・同門の千葉百音、吉田陽菜

 千葉百音(18歳、木下アカデミー)、吉田陽菜(17歳、木下アカデミー)のふたりも、全日本では5、6位と健闘している。ふたりはジュニア年代でしのぎを削り、そのままシニアに雪崩れ込む。

 千葉は今年2月の四大陸選手権で銅メダルを勝ちとったあと、ISU大会のプランタン杯で優勝し、進境著しい。

「今シーズンは演技に組み入れるのは難しそうですが、4回転トーループはもう少しで降りられそう」と手応えを口にし、「毎日が勉強で。悪いところだけ直す感覚もつかめてきました」と成長を続ける。

 新シーズンはGPシリーズのスケートアメリカ、フランス杯と2試合に出場予定だ。

 一方、吉田はSPが『Koo Koo Fun』という曲で、合宿の曲かけ練習でもすでに個性が際立っていた。フリーは「鶴」をイメージ。ローリー・ニコルの振り付けが落とし込まれると、魅力的なプログラムになりそうだ。GPシリーズはスケートアメリカ、中国杯と2戦にエントリーしている。

 そして合宿に参加していない選手でも、松生理乃(18歳、中京大)、河辺愛菜(18歳、中京大)、住吉りをん(19歳、オリエンタルバイオ/明治大)など実力者が控える。2021年までトップを走っていた紀平梨花(20歳、トヨタ自動車)も、ケガからの復活が待たれる。他にも頭角を現す選手がいるかもしれない。

 日本女子フィギュアは、今シーズンもにぎやかになりそうだ。

プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。

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