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村主章枝はフィギュアスケートの現行ルールを疑問視「ジャンプの技術は上がったけどプログラムとして面白いかというと...」 (3ページ目)

  • 山本夢子●取材・文 text by Yamaoto Yumeko
  • 田上浩一●撮影 photo by Tanoue Kouichi

●現行の得点システムに疑問

ーー現在のフィギュアスケート界についてどんなことを感じていますか?

 コーチングをしていると現行のルールについて、クエスチョンを持つことは多いです。点数をとるために、スピンを何回転してこうしなさい、ああしなさい、こうしなきゃダメですという教え方になっちゃう。

 もちろん、ジャンプやスピンなどの技術も大事ですけど、子どもたちを見ていると、大人では考えつかない自由な発想を持っていて、表現力も豊かで技術面以外でもすばらしいところがたくさんあります。

 それなのに、どんなに素敵な演技をしても、ジャンプが飛べなければ得点に反映されにくく、ジャンプが飛べれば演技が劣っていても点がとれてしまいます。

 振付師の目線から言うと、技術点と同じくらい、個々が持っている自由な発想、自由な表現で点数を伸ばせるシステムに変わっていけば、フィギュアスケートが今よりもっといいものになるのではないかなと感じています。

2006年トリノ五輪で4位入賞した村主さん photo by AFLO2006年トリノ五輪で4位入賞した村主さん photo by AFLOこの記事に関連する写真を見るーーステップなども組み込まなければいけないことが多いですね。

 そう。点数をとれる人の構成を見て、同じような構成にしていくから自由度がないですよね。

ーー村主さんが現役の頃と比べるとスポーツ寄り、システマチックな印象もあります。

 ジャンプの技術は上がりましたけど、プログラムとして面白いかというと疑問に思いますね。すぐに変えていくのは難しいと思うので、私たち指導者が違う視点からアプローチしていかないと変わらないかもしれませんね。

 なので私は得点もとれて、プログラムとしてもすばらしいと思ってもらえるように、自分が新しい発想や視点を持ちながら指導するように心がけています。

 子どもたちも、点をとるためにあれをやりなさいと言われるよりも、自由な発想で滑るほうが楽しいと思うので、一緒に探りながら最高のプログラムをつくれるように日々精進しています。

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