友野一希がシーズン最後に直面した「弱い自分」 来季は振付師を変更し「新しい自分」に挑む (3ページ目)
●新しい自分に挑戦する覚悟
今季は昨年12月の全日本選手権が終わったあとから4回転ジャンプもいい感覚をつかめてきて、ジャンプにも手ごたえを感じていた。
「この方向で自分をさらに磨いていけばいい」という自信もついていたところだった。だが、国別対抗戦はそれだけでは足りないことも思い知らされた。シーズンを通して安定させなければ、本物ではない、と。
「ミスも含めて自分の今の実力を出しきれたのが世界選手権だったと思うけど、今回このメンバーで戦ったからこそ、自分にまだまだ足りないものが見つかったのだと思います」
友野はあらためて次への課題を手にした。
「世界のメダルが見えてきたシーズンだった」と振り返る友野。だが、来季へ向けてはケガで休んでいた鍵山優真や躍進した三浦佳生の存在も意識して「前半からガンガンやっていけるようにしたい」と話し、プログラムの振付師の変更も考えている。
「自分の好き嫌いもなく、いろんなジャンルの表現をやって自分のものにしていきたいとも思っているので、選曲も新しい振付師に相談して、来シーズンは全部任せてみるのも面白いかなと思っています」
新たな世界に踏み出していく覚悟だ。
著者プロフィール
折山淑美 (おりやま・としみ)
スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。
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