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坂本花織が「点数的な限界」と戦ってきた1年。世界フィギュア好発進も演技後に漏らした不満のわけ (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

●「点数的な限界」を超えるために

 その成果が世界選手権SPできっちり出た。

「きょうは不安もなくしっかり滑りきれた。楽しくできました」

 そう話す坂本の結果は、2位に5.62点差をつける、今シーズン世界最高の79.24点。目標にする大会連覇に大きく前進した。

この記事に関連する写真を見る それでも、昨年の世界選手権で出した自己ベストの80.32点には届かなかった不満も口にした。

「今シーズンのなかでは一番いい演技ができたかなと思うし、あともうちょっとだったなというのはすごく感じていて。

 きょうはちょっとスピード感がなかったと全体を通して思ったのと、ダブルアクセルの加点が1.37点しかなかった。前大会のように満点(1.65点)がほしかった。そこがちょっと悔しいです」

 前回の世界選手権で、世界歴代6位となる合計236.09点まで到達した坂本は、「大技がなくてもここまでいけるんだという自信にもなったし、私でもできるんだという新たな気持ちになれました」と話していた。

 だが、さらなる進化へ向けては「点数的にはけっこう限界まで近づいてきているので、これからは本当に、極めて、極めて、という感じで難しくなる」とも話していた。そうした思いもあるからこその不満だった。

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