紀平梨花「何のために練習してきたんだ...」。全日本フィギュア11位で次戦の夢が断たれるも噛み締めた「幸せ」 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【生まれ変わった自分を見せたい】

 結局、最終順位はSPからは上げられず11位。10位までにジュニアが5人も入ってくる結果になったが、紀平は四大陸選手権も選考条件の「全日本選手権10位以内」をクリアできず、次への夢は絶たれた。

「ショートを終えてから不安もあるなか、2年ぶりの戻ってこられた全日本の舞台で、自分の滑りをできたのは本当に幸せなことだなと、今はすごく感じています。でも、演技や点数にはぜんぜん満足していない。もっともっと点数や構成を上げて、『いつでもミスはしない』という自信を持って挑めたらいいなと思うので。また新たに生まれ変わったかのような自分を見せていけるように頑張りたいです」

 演技終了後に右足首に触った理由を、「6分間練習でも3回転フリップを跳んだ時にはすごく痛かった。不安だったけど、『よく持ってくれたな』と思って触りました」と説明した。

 今季の挑戦が一段落した今、復活へ思いをこれまで以上に強くし、その道をじっくりと歩もうとしている。

【著者プロフィール】
折山淑美 おりやま・としみ 
スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、これまでに夏季・冬季合わせて16回の大会をリポートした。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追っている。

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