髙橋大輔「やってしまった」村元哉中「大ちゃんに感謝」。かなだいが全日本フィギュアの痛恨のミスで見せた真価とぬくもり
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【痛恨のミスにも明るいふたり】
約4分間、最後の最後だった。終盤は体力的に厳しい。コレオグラフィックダンスリフトは危うさが漂っていたが、持ちこたえられそうにも見えた。しかし、髙橋大輔が崩れ落ちると、村元哉中も続けて氷上に倒れた。
「最後のリフトもすごく練習してきたんだよね!?」
ミックスゾーン、村元は髙橋を励ますように言った。
「最後はほとんど僕のミス。やってしまったなって」
髙橋は悔しそうに手のひらで顔を隠し、村元が優しげにその様子を見つめた。
ふたりとも転倒したことで、2点減点だった。痛恨の失敗と言える。暗くなってもおかしくない。
しかし、ふたりが醸し出す空気は朗らかで明るかった。それは、結果的に優勝できたからだけではないだろう。ふたりの人間性の問題だ。
その明朗で純粋なパーソナリティーが、「かなだい」と呼ばれるふたりの原動力になっているのだ。
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