紀平梨花「何のために練習してきたんだ...」。全日本フィギュア11位で次戦の夢が断たれるも噛み締めた「幸せ」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【構成を大きく変えて挑んだフリー】

 だが、2日後のフリー当日朝の公式練習では、パンクとなった3回転ルッツで右足首を痛めてしまった。

「大きく骨折したわけではないので試合には出られたけど、そのあとは右足に負担がかかる3回転フリップの練習もやめました。演技にも、これからの大会にも支障が出るかなと思ったので練習後にブライアン・オーサーコーチと相談して、『3回転フリップを1本入れた、フィンランド大会と同じ構成でいいと思う』と言われて、そうすることに決めました」

 当初は3回転フリップと3回転トーループを2本、3回転ルッツを1本入れる予定だった構成を、大きく変えての演技。だが、フリーでも目指していたノーミスの滑りはできなかった。

 最初の3回転サルコウ+3回転トーループは、サルコウが4分の1の回転不足になって0.06点の減点。右足首の痛みで不安を感じていた3回転フリップは単発のジャンプでしっかり決め、フリップからループに変えた4本目のジャンプに2回転トーループをつけて連続ジャンプにした。

 だが、ルッツに変えてループにした後半の3回転ループはステップアウトになって大きく減点。セカンドからのジャンプを3回転トーループ+2回転トーループから2回転トーループ+2回転ループに変えたダブルアクセルからの3連続ジャンプも、難度は落としたにもかかわらずアクセルが4分の1の回転不足で減点される結果に。

 フリーはフィンランド大会より0.17点低い128.19点にとどまり、合計は188.62点とステップアップは望めない得点だった。

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