検索

坂本花織が受けていた初めてのプレッシャー。「いつもの風が感じられなかった」 (3ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

GPファイナルに向けて

「合計200点前後は、ベストから30点くらい下がっているので、悔しいです。昨季(の演技)は自分でもよかったと思っているので、今はそれと比べるとほど遠いから、これくらいの点数差は当然だと思います。
 
 今回の試合では自分自身、いつも感じている風が感じられなかった。(スピードが)遅いなというのもあったし、スピードを出して滑るのは体力がいるので、フリーの後半までもたなかった。どうしてもセーブして、ゆっくりになってしまった。原因はわかりきっているので、修正しやすいと思います。とにかくNHK杯は、今できることを全力でやろうと思っていたので、今できるベストな演技はできたと思います」

 昨季は「大技がなくても勝てることを証明して自信がついていい経験ができた」というシーズンだった。今大会は、勝ち続けることの難しさを痛感した試合だったようだ。次の目標は、12月のGPファイナルと全日本選手権だ。もう一度、気合いを入れ直して、ファイナル初制覇と全日本2連覇のダブルタイトル取りを目指していく。

「今後は元気よく、自分らしい滑りができるように練習したい。あとは試合後に自分が笑顔で終われるようにしたいです。2年連続(ファイナル進出)はうれしいし、6人しか出られないのはワクワクしています。ファイナルではもう少し成長できたらいい。年末と年明けに向けて試合が途切れなくあるので、体調をしっかり整えながら、ベストコンディションで戦えるように頑張りたいです」

 努力の天才は、今回の結果にへこみながらも、しっかりと前を向いていた。

フォトギャラリーを見る

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る