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本田真凜が闘い続ける「スターのイメージ」。目標に向け一歩前進も「もっとできるところを皆さんにお見せしたい」 (2ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

「スターのイメージ」が生む異様な光景

 しかし、彼女はこれからも「本田真凜というイメージ」との対峙を余儀なくされるのだろう。

 本田は、天性のスターと言える。リンクに立つと、女優然とした引力があり、ほのかな色気を漂わせる。華があるのだ。

SPの本田SPの本田この記事に関連する写真を見る 2016年の世界ジュニア選手権で優勝を果たし、頭角を現した。同年の全日本選手権では、中学生ながら4位になった。2017年の世界ジュニアでは、アリーナ・ザギトワ(ロシア)としのぎを削り、200点超えで自己記録を更新。愛くるしい容姿もあって、「天才少女」の人気は急騰した。2018年の平昌五輪に向け、新たなスケート界のヒロイン登場だった。

 ところが、シニア1年目で失速し、五輪出場も逃している。それ以降は、好転し始めると不慮の事故に遭うなど、成績は低調。全日本選手権で7年連続出場権を獲得しているのは勲章だが、昨シーズンは21位だった。

 ただ、「スターのイメージ」だけは今も同じくつきまとう。

 たとえば今回の東京選手権でも、それは顕著だった。オンライン取材では、「引退はいつ?」「次の職業は?」「交際宣言を」という露骨な質問を容赦なく浴びる。それは控えめに言って、異様な光景だろう。シーズンをスタートさせた、競技後のアマチュア選手の取材だ。

「本田真凜のイメージ」だけが暴走している。

 本人は、どんな質問にも受け答えしていた。それは真摯な人柄とも言えるし、大人の世界で生きてきた処世術なのかもしれない。あるいは、彼女自身が「本田真凜のイメージ」と共存しようとしているのか。

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