三原舞依、友野一希、松生理乃、佐藤駿の新プログラムに注目! ドリーム・オン・アイスで見せた進化 (3ページ目)
ケガから復調する松生理乃、佐藤駿
プログラムがまだ仕上がっていない選手が多くミスが目立つなかで、初日に三原とともにノーミスの滑りを見せたのは松生理乃(17歳、中京大中京高)だった。
シニア1年目の昨季序盤はトリプルアクセル挑戦も試みたが、ケガをして難度を落としてグランプリ(GP)シリーズに臨む悔しい思いをした。それでも昨年12月の全日本選手権からは彼女の武器でもあるSP、フリーともに基礎点が1.1倍になる演技後半のジャンプをすべて連続ジャンプにする構成に戻し、今年1月の四大陸選手権では合計を自己ベストの202.21点にし、5位に入った。
「ドリーム・オン・アイス」では、冒頭のダブルアクセルと次の3回転フリップもきれいに決め、後半の3回転ルッツ+3回転トーループもしっかり降りた。それは、今季の練習が順調にいっている証拠だ。
新プログラム『パパ、キャン・ユー・ヒア・ミー?』は、昨季より動きの大きさと、手の使い方のしなやかさを感じさせる柔らかな滑り出し。つなぎの表現も丁寧にこなし、終盤のステップシークエンスは曲の盛り上がりにきちんと合わせる動きで、感情を身体全体ににじみ出させるような滑りになっている。
フリーは昨季の『月光』を継続し、ジャンプの入れ替えをしてレベルアップを図っているという松生だが、大人っぽいイメージも高まり、今季はワンステップ上がった演技を見せてくれそうだ。
また昨季はケガにも苦しんでもうひとつ伸びきれなかった佐藤駿も、まだケガ明けでジャンプは本調子に戻っていないが、新SPは「これまで滑ったようなことがないような曲」と話す、ウクライナ民謡をもとに100年以上前に編曲され、クリスマスソングとして親しまれている『キャロル・オブ・ザ・ベル』の、バイオリニストのリンジー・スターリングのカバー版。
弦を弾く音から始まり、冬の寒冷な空気感を表現するような曲。終盤のステップシークエンスでは音に合わせた流れとキレを同居させた滑りを見せた。シニア移行からは表現の向上も意識している佐藤だが、「これを完成させれば新たな世界に踏み出せるのでは」と思わせるようなプログラムだ。
昨季から着実に成長を感じさせる演技を披露した各選手。今季の試合での活躍が今から楽しみだ。
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