2022.02.23

坂本花織「2度目の大会は自信がある」。北京五輪前に語っていた勝算と下馬評を覆した必然

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by JMPA

2月18日、会見で満面の笑顔を見せた坂本花織2月18日、会見で満面の笑顔を見せた坂本花織 この記事に関連する写真を見る  北京五輪のマスコット「ビンドゥンドゥン」を頭上にかざした坂本花織(21歳、シスメックス)は、満面の笑みを浮かべた。フィギュアスケート女子シングルで、日本人選手として12年ぶりのメダルを獲得し会見に臨んだ姿は、拝みたくなるほどの幸福感に満ちていた。何かをやり遂げた人間だけができる表情で、一点の曇りもなかった。

「本当に今日までよく頑張った、と自分でも思います」

 朗らかな彼女が言うと、いやらしさがないから不思議である。おそらく、少しの飾り気も邪気もないからだろう。本当によく頑張ったんだろうな、と共感を覚えるのだ。

 もっとも、何も考えずに試練も受けず、五輪で銅メダルを勝ち獲れるはずはない。

苦戦から始まった今季

 開幕前、フィギュア女子のメダル争いは「ロシア勢の無敵ぶり」に焦点が当たっていた。ROC(ロシア・オリンピック委員会)の代表になったカミラ・ワリエワ、アンナ・シェルバコワ、アレクサンドラ・トゥルソワの3人は、国内のし烈な競争を勝ち上がった。

 他にも、元世界王者エリザベータ・トゥクタミシェワ、2019年グランプリ(GP)ファイナル優勝のアリョーナ・コストルナヤ、今シーズンGPファイナル進出(コロナ禍で中止)のマイア・フロミフは、3人と比べても遜色がない。4回転、もしくはトリプルアクセルという大技を予定構成に入れ、基礎点で各国選手を引き離していた。

「ROCが表彰台を独占する」

 それが下馬評だった。