羽生結弦、宇野昌磨、チェン...本田武史がトップスケーターを分析 (4ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 田口有史●写真 photo by Taguchi Yukihiro

 今回の男子シングルで、もうひとり名前を挙げるとしたら、総合5位のミハイル・コリヤダ選手(ロシア)になります。「こんなに上手だった?」というぐらい、ひとつひとつの質が良くなっていました。フリーではバレエの要素を入れた演技をしていましたが、こんなに踊れる選手だったのかと驚きました。

 ちょっとした細かいミスがなくなってくると、さらに化けるのではないかという印象を残しました。今回の試合では跳ばなかったのですが、4回転サルコウもきれいに降りているので、SPで4回転トーループと4回転サルコウ、トリプルアクセルを跳び、フリーでは4回転トーループ2本に4回転サルコウを組み込んでくると、スケーティングスキルの質の高さを考えると、ポーンと上位に上がってくる可能性があります。
 
 北京五輪に向けては、どの選手にも見えてきた課題がありますし、コロナ禍での難しいシーズンとなったこの1年間を過ごしてきたからこそ、得たものもたくさんあったと思います。来季はどうなるのか、楽しみです。

Profile
本田武史(ほんだ・たけし)
1981年3月23日、福島県生まれ。
現役時代は全日本選手権優勝6回。長野五輪、ソルトレークシティー五輪出場。2002年、03年世界選手権3位。現在はアイスショーで華麗な演技を披露するかたわら、コーチ、解説者として活動する。

「Passion on Ice」
日本フィギュアスケートシーズン総集編 好評発売中
表紙は羽生結弦!
詳しくはこちら>>


「羽生結弦大型写真集 光-Be the Light-」

2021年3月11日(木)発売>>詳しくはこちら

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る