三原舞依が涙の好演技。応援を力に「ありがとうって何回言っても足りない」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 田口有史●撮影 photo by Taguchi Yukihito

SP演技の三原。NHK杯は復帰後4試合目となったSP演技の三原。NHK杯は復帰後4試合目となった NHK杯、三原は天使のように軽やかだった。 

 ショートプログラム(SP)は63.41点で7位、フリーは131.32点で3位と、合計で194.73点を叩き出し、4位に入っている。特筆すべきは、SPで冒頭のコンビネーションジャンプの2本目のトーループが回転不足を取られたものの、フリーでは連続ジャンプを成功してみせた点だろう。並外れた集中力で、短期間にもかかわらず、技を改善したのだ。

「まだまだ完璧とは言えない演技だったと思いますが、今のベストの演技ができたかな、と。(フリーは冒頭の)3回転+3回転も含めて、大きなミスなくできてよかったんじゃないかなと思います」

 フリーが終わった後の会見で、三原はその胸中を明かしている。「今」を大事に突き詰め、自分と対峙し続けてきた。そこでの妥協はない。

「(体力的にきつくても)今日は緩めていこうっていう考えはまったくなくて。練習も試合も、同じです。音楽がかかるときは一回一回、どんなことがあっても自分のマックスを滑る、最大限を出す、と滑ってきました」

 今年10月の近畿選手権。三原は約1年半ぶりの公式戦のリンクに立っている。難しい病気を患い、体力的には相当に厳しかった。しかし細く可憐な体は、狂おしいまでのスケート愛を示した。

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