三原舞依が涙の好演技。応援を力に「ありがとうって何回言っても足りない」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 田口有史●撮影 photo by Taguchi Yukihito

11月28日、NHK杯フリーで演技する三原舞依11月28日、NHK杯フリーで演技する三原舞依 大阪、東和薬品ラクタブドーム。三原舞依はNHK杯のフリースケーティング終盤になって、目が潤むのを感じていたという。

 7本目となるジャンプを成功させてステップに入ると、流れる曲よりも拍手の音が大きくなった。その響きに熱を感じ、胸を詰まらせる。『フェアリー・オブ・ザ・フォレスト&ギャラクシー』の律動が上がると、滑りに生命力がみなぎった。森の妖精が、舞い降りたのかーー。最後のスピンでは万感の思いを抑えきれず、演技後にはぴょんぴょんと跳ね、氷の上で笑顔が弾けた。

ーー観客の皆さんは、「お帰りなさい」という拍手を送ったと思いますが、何を伝えたいですか?

 その質問に対し、三原は丁寧にこう答えている。

「ありがとうございますっていう言葉を、何回言っても足りないほどです。本当に温かい拍手で。たくさんバナーを振ってくれたり、スタンディングオーベーションをしてくれたり、温かい気持ちで滑らせてもらいました」

 しかし、伝える必要などない。その場にいた観客は言葉以上のものを感じたはずだ。

1 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る