村上佳菜子がソチで震えたコストナーの演技。滲み出る「色気と人柄」 (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • photo by JMPA

 たまたまシニア1年目の時、グランプリ(GP)シリーズの2戦とも一緒なり、GPファイナルにも一緒に出場できました。最初は「ああ、テレビで見た人だ。やっぱり反対回りだから、(ジャンプを跳んだ後に)どこに行くかわからないな」という感じで一緒に滑っていました(笑)。そこから、コストナーさんを意識して見るようになって刺激を受けるようになりました。

 ケガから復帰したシーズンは難しいジャンプを回避していたコストナーさんでしたが、シーズンを重ねるごとに、フリップを入れたり、3回転+3回転の連続ジャンプを跳んだり、レベルを少しずつ上げてきました。私自身、年を重ねていくにしたがって、挑戦することが怖くなっていたので、コストナーさんの飽くなき向上心はすごく魅力的でした。

 アイスショーで見せるどのプログラムも鳥肌が立つものばかりで、一緒に試合やアイスショーに出るようになって、生でたくさん彼女の演技を見る機会に恵まれたこともあって、どんどんコストナーさんの魅力にはまっていきました。

 コストナーさんとは7歳違いですが、すごく優しい人で、いつも「ハーイ、カナコ」と言ってかわいがってくれます。私があまり英語をしゃべれないのに、一生懸命にわかるようにしゃべってくれて、微笑んでくれる。優しさがあふれちゃっているところが大好きです。

『ボレロ』もそうですが、コストナーさんのほとんどのプログラムはローリー・ニコルさんが振り付けています。私は一度も振り付けてもらったことがないので、どんな振付師の方かはわからないですが、(浅田)真央ちゃんも多くのプログラムをローリーさんに振り付けてもらっていましたよね。

 それらのプログラムを見ていると、すごく彩り豊かな振り付けをされる方だなと思います。誰が『ボレロ』を選曲したかはわかりませんが、あのプログラムはすごくコストナーさんのよさを理解したうえでの振り付けだったと思います。

 私自身のターニングポイントになったプログラムは3つあります。

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