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大学生・樋口新葉は生活一変。
是が非でもトリプルアクセルを武器に (3ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 一方、フリーの『ポエタ』は、フィギュアスケート界ではおなじみの楽曲。とくにトリノ五輪銀メダルのステファン・ランビエール(スイス)が十八番とする演目として知られている。そんなプログラムを演じることについて、樋口は謙虚にこう語る。

「今回、強化合宿のゲスト講師としていらしているステファン先生は、昨季も(アイスショーで)『ポエタ』をやっていたのを見てすごいと思ったし、動画も見ています。私が滑った時に見られていたんですけど、たぶん振り付けが甘かった部分があったからか、私が滑っているリンクの端っこで、ステファンがひとりで踊っていました。ちょっと面白かったです。また、自分が貸し切りで滑っている時に途中から入ってきて、振り付けを考えていたこともありました」
 
 ランビエールの思い入れが強いプログラムを、樋口はどう演技しようとしているのか。

「自分で提案して決めたフリーはいろいろな人が滑っている曲なので、いろいろな人の動画を見たりしています。どういうイメージでやるかというのは人それぞれだと思うんですけど、自分の演技は、床で踊っているフラメンコの人たちの演技を見て参考にして、情熱的なステップをつなぎの部分で表現していきたいなと思っています」

 平昌五輪シーズンに大きな悔しさを味わった樋口が、それを糧にどんな成長を遂げるのか、今季はスケーター樋口にとって正念場のシーズンになるかもしれない。その本領発揮を期待したいところだ。

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