トリプルアクセルに安定感。
紀平梨花、GPファイナル制覇のカギは

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ6大会を勝ち抜いたトップ6の選手たちによる世界一決定戦、GPファイナルがカナダ・バンクーバーで6日(日本時間7日)に開幕。女子日本勢は、シニアデビューシーズンで日本人初のGP2連勝を飾った紀平梨花、平昌五輪4位で全日本女王の宮原知子、同五輪6位の坂本花織の3人が出場する。

 時差対策で12月2日に現地入りした3人は、翌3日からバンクーバー郊外のリンクで練習し、本番に向けて調整を行なってきた。そして5日からは本番のリンクで公式練習に臨み、最終調整に入った。午後1時35分から40分間の公式練習。3人は最初こそリンクの出来たての氷に戸惑っていたが、徐々に慣れてきて、ジャンプをバンバン跳ぶなど、調子のよさをうかがわせた。

 なかでも今大会で世界のフィギュアスケートファンから大注目の紀平は、この日も安定感抜群のキレのあるジャンプを見せた。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は、曲かけから成功させるなど、計11本トライしたうち8本を決めていた。

バンクーバーで調整を続ける紀平梨花バンクーバーで調整を続ける紀平梨花 この大技を、目標にする「完璧な演技」で成功させてGOE(出来栄え点)加点がつけば、ファイナルでも頂点を狙えるだけに、ショートプログラム(SP)とフリーで計3本を跳んでくるはずだ。とくにGP第4戦のNHK杯で成功させた高難度のトリプルアクセル+トリプルトーループの連続ジャンプの成否は、勝負のカギを握るかもしれない。

 公式練習後、報道陣の前に笑顔で現れた紀平だが、試合当日の調子に左右されるトリプルアクセルの出来については、慎重に言葉を選んで答えていた。

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