フィギュアのマニアが「羽生結弦の金メダルに、号泣しつつ願ったこと」 (3ページ目)

  • 高山真●文 text by Takayama Makoto
  • Photo by JMPA


 ショートプログラムの号泣は、「こんなに戻してくれていたなんて!」という号泣でした。

 フリーの号泣は「こんな状態でも、ここまでのことをやりきってくれたんだ」という号泣でした。胸が痛くなるような号泣でした。

 金メダルを獲りたい。それを願っていいのは選手とコーチだけである。

 私はずっとそう思ってきましたし、今でもその思いは変わっていません。だからこそ私は 今まで書いてきたコラムでは、

「羽生が金メダルを獲ることを露ほども疑っていません」

 という書き方は、一度もしてこなかったはずです。ただただ、

「素晴らしいパフォーマンスを見せてくれることを露ほども疑っていません」

「神様からのちょっとしたプレゼントが、たゆまぬ努力を続けるスケーターたち全員に舞い降りますように」

 と書いてきたのです。

 羽生結弦がショート、フリーとも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれて、私は2種類の号泣を経験しました。

 羽生だけでなく、宇野昌磨からもハビエル・フェルナンデスからも、ボーヤン・ジンからもネイサン・チェンからも、もちろんパトリック・チャンからも、田中刑事からも、それぞれに素晴らしいものを受け取れました。近いうちに、じっくり書かせていただく機会があることを願っています。

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