羽生、宇野はSPを前に順調。
気になる「海外ライバル勢」の状態は? (2ページ目)
一方、 団体戦のSPで4位に終わったネイサン・チェン(アメリカ)は、14日の公式練習に姿を見せなかった。団体戦の演技では、4回転トーループがパンクして2回転になり、 次のトリプルアクセルも転倒する痛恨のミスが響いて、80.61点で4位にとどまっている。
今年1月の全米選手権でもSP、フリーともに4回転ルッツは跳ばなかったが、ルッツの感覚を取り戻しているのかどうかが気になるところ。公式練習を休んで状態が確認できなかっただけに、本番でどういった構成にしてくるのか要注目だ。
羽生と同じく、団体戦に出場しなかったボーヤン・ジン(中国)、ハビエル・フェルナンデス(スペイン)は、練習で状態のよさを感じさせる滑りを見せた。
ボーヤン・ジンは、4回転トーループを何度も跳んでいるのが印象的だった。SPの曲かけ練習では着氷を乱す場面もあったが、最大の得点源である4回転ルッツは軽々と跳び、その後に3回転トーループをつけて連続ジャンプにした。
ステップにもキレがあり、つなぎの滑りも細かいところまで意識が行き届いていた。今年1月の四大陸選手権は宇野を上回って優勝したが、平昌五輪の本番ではよりパワーアップした姿を見せるかもしれない。
3大会目の五輪出場となるフェルナンデスは、キレのある4回転トーループを何度も決めている姿が目立った。4回転サルコウは軸が動いてしまって、フリーの曲かけ練習でも転倒していたが、そこから少しずつ修正。練習の最後にはきれいに決めた。
ステップに関しては、持ち味である軽さとキレのある滑りは陰りはみられない。スケーティング技術は確かなだけに、SPで波に乗ることができれば、悲願のメダル獲得に大きく近づくことができるだろう。
平昌五輪開幕前は、羽生、宇野、チェンの"三つ巴"の戦いになるとも予想されていたが、実際に大会が始まれば各選手の調整の出来がすべてを左右すると言っていい。16日のSPに向けた戦いは、いよいよ最終局面に入った。
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