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新旧女王の明暗。自信見せる宮原知子に、浅田真央は巻き返せるか (3ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 一方の浅田真央は、1年間の休養復帰後、最初の1、2試合は「気持ちもワクワクしていた」と言うように、はつらつと試合に臨み、予想を超える演技内容で結果もしっかりと残してきた。ところが宮原とは反対に、シーズンが半ばに入ってから徐々に気持ちが身体についていかないようになり、「下降気味で自分の演技にいいイメージが持てない」とうなだれた。

 GPファイナルでは表情から笑みが消え、元気のなさが目立った。「ワクワク感が次第に薄れていった」という25歳は、出口の見えないトンネルに入り込んだようだ。報道陣からの質問にも後ろ向きの発言が目立つ。まだ解決の糸口はつかめていない、という。

 2年ぶりとなる全日本でも、SPは冒頭の大技を失敗するなど精彩を欠いた演技で62.03点の5位にとどまった。浅田の調子のバロメーターでもあるトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)でステップアウトになって回転不足を取られた。また、難易度を落とした構成の3回転フリップ+2回転ループの連続ジャンプは、1つ目の得意ジャンプのフリップで前のめりになって後ろの2回転ループは辛うじてつけたが、ダウングレードの回転不足となってしまった。

「自分が思っているような演技ができていない。これが試合の難しさなのかなと感じています。1年間休んでいたので、試合の気持ちの持っていき方でどうなのかなというところが出ています。自分としては変わらなくいつも通りにやっているんですけど、なぜか試合ではうまくいかないので……」

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