フリーで挽回も2位。羽生結弦が自己分析した次戦への課題

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 スケートカナダのショートプログラム(SP)でまさかの6位だった羽生結弦。しかし、トップの村上大介とは7・63差、2位のパトリック・チャン(カナダ)とは7・56点差。逆転を期して臨んだ10月31日のフリー、後半グループ第1滑走者だった羽生の滑りは、少し硬さがあった。

「今朝の公式練習から、かなりピリピリしていましたね。とにかく、過去にとらわれるじゃないですけど、ソチ五輪シーズンの世界選手権のような気持ちで『まず自分を奮い立たせなくちゃいけない』というのもありました。ただそれが過剰になって、公式練習はちょっとそこにとらわれすぎてしまったのかな、という気もしますけど......」

SPの6位から、フリーでの逆転優勝を狙った羽生結弦SPの6位から、フリーでの逆転優勝を狙った羽生結弦 羽生がこう話すように、午前中の公式練習では、いつもの羽生とは少し様子が違った。

 曲がけの練習が1番目ということもあり、早めに跳び始めたジャンプでは、トリプルアクセル+3回転トーループと4回転トーループをきれいに決めたものの、4回転サルコウで転倒。その直後の曲がけでは4回転サルコウは尻餅をつきそうになりながらこらえ、4回転トーループは空中で軸が動いてしまって転倒した。

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