2015.01.17

一夜限定の競技復帰で安藤美姫が得た新たなモチベーション

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

「イリーナ・スルツカヤの演技を見るのはトリノ五輪以来だな」「キミー・マイズナーが世界選手権で優勝したのは9年前か……」

 さまざまことを懐かしく思い出す大会だった『メダルウィナーズオープン2015』。プロスケーターとして活躍する五輪や世界選手権などのメダリストたちが競演し、一夜限り競技者に戻るISU(国際スケート連盟)公認の大会が3年ぶりに開催され、男女各6選手が出場した。

 この大会の採点は通常の試合とほぼ同じスタイルだが、より表現力を重視している。また、小物や照明での演出が可能だ。

 男子は激しい上位争いになった。2番滑走のジョニー・ウィアー(アメリカ)は転倒したとはいえトリプルアクセルに挑戦する気迫を見せ、続くジェフリー・バトル(カナダ)はジャンプでミスが出たものの、キレとメリハリのある大きな滑りで、技術の高さと表現力の素晴らしさを発揮した。

4回転ジャンプを着氷し、2位となった織田信成 そんななか、存在感を見せたのが5番滑走の織田信成だった。

「今も関西大学の練習場を使わせていただいていて、練習時間もたくさんとれる環境にいる。現役の選手と一緒に練習することも多く、宮原知子選手などの頑張る姿勢をみて刺激を受けている」

 そう語った織田は、冒頭の4回転トーループ+3回転トーループを現役選手顔負けの完璧さで成功。続くトリプルアクセルは着氷で乱れ、後半の3回転ルッツは転倒するミスも出たが、85・15点でトップに立った。

 織田の演技を見て闘争心に火がついたのが、最終滑走のエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)だった。「11カ月間休養していたので試合の感覚を忘れていたが、この大会に出場して、やはり自分は戦うことが大好きなのだということがわかった」と話す”皇帝”は、最初のトリプルアクセルをきれいに決めると、次のトリプルアクセル+2回転トーループも成功。スピードのある滑りで観客を熱狂させ、86・95点で優勝した。

男子順位
1位 エフゲニー・プルシェンコ(ロシア)…2002~2014五輪4大会連続メダル
※ソルトレイク・銀、トリノ・金、バンクーバー・金、ソチ・団体金)
2位 織田信成(日本) …2006年四大陸選手権金メダル
3位 ジェフリー・バトル(カナダ) …2006年トリノ五輪銅メダル
4位 ジョニー・ウィアー(アメリカ) …2008年世界選手権銅メダル
5位 エバン・ライサチェク(アメリカ) …2010年バンクーバー五輪金メダル
6位 本田武史(日本) …2002、2003年世界選手権銅メダル