一夜限定の競技復帰で安藤美姫が得た新たなモチベーション (2ページ目)
3位表彰台を獲得した安藤美姫 女子では、5番滑走のジョアニー・ロシェット(カナダ)が、気合いの入った滑りでパーフェクトの演技を披露し、64・67点の高得点でトップに立った。その後に、13年12月の全日本選手権を最後に引退した安藤美姫が最終滑走者として登場した。
「今までとは違った印象の演技を見てもらいたかった」と言う安藤が選んだ曲はショパンの『バラード4番』。伸びのある滑りで、3回転サルコウ+2回転トーループは成功したが、続く3回転ルッツは回転不足で転倒。スピンを丁寧にこなした後、コレオシークエンスに入ってステップに移ろうとした瞬間、スケートの後ろ側が氷に引っかかって転倒するミスをしてしまった。
結局、安藤の得点は54・10点でロシェットとサラ・マイヤー(スイス)に次ぐ3位だった。
女子順位
1位 ジョアニー・ロシェット(カナダ) ...2010年バンクーバー五輪銅メダル
2位 サラ・マイヤー(スイス) ...2011年欧州選手権金メダル
3位 安藤美姫(日本) ...2007、2011年世界選手権金メダル
4位 ラウラ・レピスト(フィンランド) ...2010年世界選手権銅メダル
5位 イリーナ・スルツカヤ(ロシア) ...2006年トリノ五輪銅メダル
6位 キミー・マイズナー(アメリカ) ...2006年世界選手権金メダル
「最初は柔らかい滑りから入って、最後は盛り上げて力強く、ひとつの女性像を表現したいと(振り付けの)デイビット(・ウィルソン)と話していました。ここから盛り上げようといういちばんのお気に入りのステップで転んでしまった。リベンジしたいので、ショーで滑ることができればと思います」
試合後、そう語った安藤は悔しそうな表情を見せた。
久しぶりの試合形式の滑りで、どの選手も「楽しかったが緊張もした」と話していたこの大会。
安藤は「ジャッジが採点する試合であると同時に、照明で幻想的な空間を作った中で演技もできる、フィギュアスケートの魅力が詰まったエンターテインメントの大会」と表現していた。また、競技という点から、安藤が今回一番迷ったのが、「ルッツを入れるかどうか」だったという。
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