【フィギュア】涙のシニア世界デビュー。宇野昌磨のこれから

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • photo by AP/AFLO

 ソチ五輪から1年、今季のフィギュア界には世界的に世代交代の流れが起こっている。日本男子も例外ではない。五輪王者の羽生結弦はまだ20歳で、今後も活躍が期待されることは言うまでもない。その羽生に次いで世界で通用する素質がある選手が日本にも出現した。それが今季ジュニアで躍進している宇野昌磨だ。今季は昨年の全日本選手権まで、出場したすべての大会で表彰台に立つなど、しっかりと実績を残してきた。

四大陸選手権で5位に終わった宇野昌磨四大陸選手権で5位に終わった宇野昌磨 昨年12月のジュニアGPファイナルでは、SP(ショートプログラム)3位からフリー1位になって、2005年小塚崇彦、2009年羽生以来、日本男子3人目となるジュニアGPファイナル王者の称号を手にした。フリー(163.06点)と合計(238.27点)の得点は、ジュニアの歴代最高得点を更新するものだった。

 昨季は試合ではまだ跳ぶことができなかった4回転トーループとトリプルアクセルを習得。今季からプログラムに組み込み、試合をこなすごとに精度を増して得点源になっている。

 世界選手権や四大陸選手権の代表選考が懸かった全日本選手権では、SPとフリーでともに3位につけ、ソチ五輪代表の町田樹やバンクーバー五輪代表の小塚ら並み居る先輩を抑えて総合2位に入った。そして掴んだのがシニアの国際大会初出場となる四大陸選手権の代表切符だった。

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