【フィギュア】世界選手権、羽生結弦と浅田真央のダブル優勝なるか? (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao/JMPA

「得点も、演技内容も悔しかった。僕にとってソチ五輪は、いいパフォーマンスをしてメダルを獲ることが絶対的な目標だったので、それが叶わなかったことが悔しい」

 ソチ五輪のフリーの後にこう話していた町田だが、「この五輪はとても大きな舞台だったけど、僕の人生の中では通過点でしかない。ここで得た貴重な体験を今後の人生でおおいに活かしていきたい」とも話した。

 町田にとって初出場となる世界選手権だが、ソチで得た経験は大きなもの。ここでメダル獲得となれば、スケーターとしてさらに成長していくきっかけになるはず。また、髙橋大輔の欠場でチャンスを得た小塚崇彦には、まだまだ羽生や町田に負けてはいないという意地を見せてほしいところだ。

 男子で最大のライバルになるのは羽生と同じブライアン・オーサーコーチの指導を受ける、ソチ五輪4位のハビエル・フェルナンデス(スペイン)だろう。また、ソチ五輪7位のハン・ヤン(中国)のほか、ロシア選手権で優勝しながら五輪代表をエフゲニー・プルシェンコに譲ったマキシム・コフトン(ロシア)や、ソチでは不調だったケビン・レイノルズ(カナダ)が、調子を取り戻せば怖い存在だ。

 いっぽう女子の最大の見どころは、現役引退か続行かを「ハーフ・ハーフ」としている浅田真央がどんな演技を見せてくれるかだ。ソチ五輪ではSPでシーズンベストを大きく下回る55・51点での16位発進というまさかの展開から、フリーではトリプルアクセルをクリアに決めて142・71点を獲得。総合6位までジャンプアップして底力を見せてくれた。

世界選手権で優勝を十分狙える位置にいる浅田真央世界選手権で優勝を十分狙える位置にいる浅田真央 浅田は、フリーは「人生最高の演技」と納得していたが、滑走順がさらに後ろだったら、演技構成点がもう少し加算されていたはずで、世界選手権での得点に注目が集まる。

「バンクーバーではSPはよかったが、フリーは納得できなかった。今回のソチは、SPはダメでもフリーは納得できたから、ふたつ合わせればいい五輪だと思う」と浅田は話していたが、ファンが待ち望んでいるのは、SP、フリーの両方で浅田自身が納得のいく演技をしたうえでの笑顔だろう。彼女自身、今回の世界選手権を心から満足できる大会にしてこそ、次への一歩を踏み出せるのではないだろうか。

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