2014.02.27

「競技人生最高の滑り」。浅田真央がソチで見せた『スマイル』

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao/JMPA

 ソチ五輪のフィギュアスケート女子シングルのショートプログラム(SP)で、浅田真央は思いもよらない失敗を繰り返し16位に沈んだ。だが、2月20日のフリーで高得点をマークし、6位まで浮上。浅田真央の力はさすがのひと言だった。

 フリーでは、最初のトリプルアクセルを今シーズン初めてクリアに決めると、ひとつひとつを丁寧にこなす今シーズン前半の滑りを取り戻した。小さなミスこそあったが、本人が「競技人生最高の滑りができた」と納得するように、自己最高の142・71点を獲得。

 演技終了直後には涙を流し、その後のあいさつでは笑顔になった浅田。その理由を「SPの後、私の笑顔を見たいというメールをたくさんいただいたから」と話した。

 その浅田が22日のエキシビションでは『Smile/What a Wonderful World』を披露した。

エキシビションに出場した浅田真央 その演技を終えた後、浅田はこう話した。

「『スマイル』は、辛いことや苦しいことがあっても、笑顔を忘れないようにしたいという曲。私もその気持ちで、『この五輪で滑るのもこれが最後だな』と思いながら……。だから笑顔で、この大会で応援してくださった方たちへの感謝の思いを込めて滑りました」

 これまでの海外の大会では、直前まで国内で調整してから現地入りをすることが多かった浅田。ソチ五輪は開会式翌日の8日に団体戦のSPもあり、途中のアルメニアでの調整期間も含め、これまでにない長い遠征だった。

 そのなかで、最初の団体戦の演技で芽生えた不安をかき消すことができずに、そのまま個人戦を迎えてしまった。失敗したSPの後は姉の舞のほか、さまざまな人からアドバイスをもらい、佐藤信夫コーチにも気合いを入れてもらって自分自身の気持ちを整えたという。

「トリプルアクセルだけではなく、3回転+3回転や、ダブルアクセル+3回転も入れ、6種類の3回転ジャンプを入れるフリーのプログラムは、自分が4年間かけて信夫先生と作ってきたもの。ひとつひとつの要素をしっかりやっていこうとだけ考えました」