髙橋大輔が語った本心。「ソチまで続けてよかった」
2月13日のフィギュアスケート男子シングルのショートプログラム(SP)、髙橋大輔は冒頭の4回転トーループが両足着氷の回転不足になったこともあり、「フリーの最終組入りは無理かな......」と覚悟したという。結果は4位。その順位に、「正直、ビックリしているのとホッとした気持ちが混じりあっていた」と苦笑した。
エキシビションにも出演し、観客を魅了した髙橋大輔 SPを終えて、101・45点を出した羽生結弦と97・52点のパトリック・チャン(カナダ)が抜け出し、3位から11位までの9選手が3・50点差でひしめき合う状況。髙橋は、フリーでは、確率が上がっていなかった4回転トーループを、当初予定していた2回から1回にして臨むことを決めていた。
「4回転を入れるというのはメダルを狙ううえでは外せない部分だった。最後まで希望は捨てずにいたかったんです。2本というのは初めからなかったから、一本だけは決めたいという強い気持ちが、自分の中にありました」
その言葉どおり、髙橋はフリーで4回転トーループに挑戦した。だが、結果はダウングレードとなる回転不足での両足着氷。それでも次の3回転ルッツを決め、トリプルアクセルもきれいに決め、ステップシークエンスでは「らしさ」を存分に見せつけた。
しかし、後半に入って、トリプルアクセルからの連続ジャンプは回転不足で両足着地になってしまった。
「1本にした4回転を決めることができなかったし、他のジャンプでもミスをしてしまって......。本当に今回はきつくて大変でした。多くの選手が出たいと思っていてもなかなか出られないのが五輪という場所。そこで3回も滑れたのは良かったなと思います。ただ結果として、日本代表としていい報告ができなくなって悔しいです」
「納得できない演技しかできなかったことは悔しい。だがここまでの苦しさを考えれば、よくがんばったとも思える。その意味ではなんとも表現しづらい感情になっている」と髙橋は苦笑する。
「正直、11月にケガをしてからは、五輪へ来るまで調子が上がらなかったり、大変な時期を過ごしました。それでもソチに入れば上がってくるかなという感触もあったけど、なかなか上がって来ないままで......。すごい情けなく感じる自分がいたり、自分は自分というところを見せていこうと思ったり、気持ち的にもいろいろ大変でした」
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