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【ボクシング】山中慎介は那須川天心のTKO勝ちに「成長を感じた」 井上拓真に敗戦後、新たな環境で手に入れた"強み" (4ページ目)

  • 篠﨑貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro

【採点にも惑わされず攻め続けた】

――4ラウンド終了時の公開採点では、ジャッジ1者が39-37で天心選手、2者が38-38でイーブンでした。攻めているような印象でも差がないという点で、拓真戦がよぎった方も多かったのではないかと思います。

「3、4ラウンドあたりでエストラーダがちょっと出てきたな、という時間帯はあったんですよ。あの瞬間、天心も拓真戦を思い出したと思うんですよね。それでも崩れなかった。想定内のこととして、しっかりエストラーダの前進を止めて、ラウンド後半には打ち返す場面も作っていました。公開採点の影響も受けず勝ちに向かえたのは、かなり大きいです」

――9ラウンド開始時点で、エストラーダ陣営が棄権を申し出ました。あのまま続いていても天心選手の勝利は濃厚だったでしょうか。

「そうですね。あれだけリズムに乗ってくるとスタミナの消耗も少ないので。終始、天心のペースでしたが、それでも葛西さんは『まだまだ前にいけ』と言い続けていた。試合後、天心が『エストラーダより葛西さんのほうが怖かった』と話していましたけど、昔から知っているからこそ、"ケツの叩き方"を心得ているということでしょうね」

――敗北を知って環境を変える柔軟さも、天心選手の魅力でしょうか。

「本人の意欲、行動力ですね。今までの環境を変えることへの怖さは絶対にある。それでも、一歩前に踏み出せた。本当にポジティブで、すごいことですよ」

(後編:山中慎介が語る、井上拓真が"鉄壁"の井岡一翔を崩すためのポイント 那須川天心戦のように「自分から積極的にいけるか」>>)

【プロフィール】

■山中慎介(やまなか・しんすけ)

1982年滋賀県生まれ。元WBC世界バンタム級チャンピオンの辰吉丈一郎氏が巻いていたベルトに憧れ、南京都高校(現・京都廣学館高校)でボクシングを始める。専修大学卒業後、2006年プロデビュー。2010年第65代日本バンタム級、2011年第29代WBC世界バンタム級の王座を獲得。「神の左」と称されるフィニッシュブローの左ストレートを武器に、日本歴代2位の12度の防衛を果たし、2018年に引退。現在、ボクシング解説者、アスリートタレントとして各種メディアで活躍。プロ戦績:31戦27勝(19KO)2敗2分。

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