【ボクシング】井上尚弥戦の勝利へ、中谷潤人が書き記すノートを一部公開 名王者が苦しんだメガ・ファイト前でも「ブレない」 (3ページ目)
プエルトリカンであるトリニダードも、メキシコ系アメリカンのバルガスもスペイン語を話し、両者は試合前に舌戦を繰り広げる。「自分と比べると、彼はまだベイビーだ」と言い放ったWBA王者が、ファーストラウンドに5歳下のチャンピオンから2度ダウンを奪う。しかし、バルガスも4回に先輩王者をキャンバスに沈め、スリリングな展開となった。最終ラウンド、キャリアの差を見せつけたトリニダードが3度バルガスを倒し、貫禄のKO勝ちを収めた。
トリニダードと激戦を繰り広げたバルガスこの記事に関連する写真を見る
このファイト以降、バルガスは頻繁にダウンを喫するようになる。引退の日まで、ボクシング界の隠語である"壊れた"感が拭えなかった。
トリニダード戦のあと、バルガスの実弟であるロジャーは言った。
「いつもと違う兄だった。実は試合前の2~3週間、下痢に悩まされていたんだ」
ハーンズ、バルガスという名チャンピオンでも、大舞台を前に平静を保てなかった。が、中谷に、こうした過緊張は認められない。
ふたりの拳豪が世紀の一戦で敗れたことについて、中谷は語った。
「ハーンズにもバルガスにも人間味を感じます。モハメド・アリもそうでしたが、言葉で強いことを発したとしても、練習の段階では誰もが弱い自分と向き合っているはずです。だからこそ、ナーバスになるのかなと、思います。
僕はアメリカに渡った15の時から自分と対話を重ねているので、うまく感情をコントロールする術を学んだ自負があります。孤独だったからこそ、己と向き合う時間を持てました。たっぷりとです。就寝前に30分くらいかけて、その日を振り返って"書く"ことで次に結びつけてきました。ハーンズ、バルガスとの違いは自分の持っていき方じゃないかな、と感じますね」
【中谷がLAキャンプで日々書き記していること】
グローブを握った12歳の頃から、書き溜めてきた「ボクシングノート」。モンスター戦に向けたLAキャンプでも、日々の目標を正確に記している。一部を紹介しよう。
日々、自身の体の状態や目標などをノートに記しながら調整を進めるこの記事に関連する写真を見る
合宿初日は、次のように記した。
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2026年3月18日(水)
今日の目標 集中してオフェンス、ディフェンスのバランスを良く!!
メニュー シャドー4ラウンド、マスボクシング17ラウンド、サンドバッグ5R、シャドー1ラウンド
朝食 ワッフル
昼食 サラダ、トマト、豚肉、卵、ミビキ(ヒラメ)、アスパラ、ライス、ミカン、ブルーベリー、イチゴ
体温 36.4度 血圧101-65-58 SpO2 99%
夜食 牛肉、春雨、ブロッコリー、ニンジン、トマト、エノキ納豆ご飯
寝た時間 12:30
ガードをはなさないように。
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