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【プロレス】藤原喜明が振り返る、佐山サトルや前田日明らとのスパーリング 新日本の道場にきた道場破りには「すべて勝った」 (3ページ目)

  • 松岡健治●文 text by Matsuoka Kenji

【指導したレスラーが軒並み名レスラーに】

 佐山の次に、記憶に残っている選手として前田日明の名を挙げた。前田は1977年7月に新日本に入門した。その前田との練習では、声をかけた時の喜んだ姿を思い出すという。

「相手をやっつけるってことは、相手に『参った』って言わせることなんだ。だから、俺とスパーリングをやって毎日『参った』って言ってたら、落ち込んでスパーリングをやらなくなっちまうかもしれないだろ? そうなると俺も"研究"ができなくなるから困るんだよ。

 だから、ずっと後輩とスパーをやるには"生きがい"を与えないといけない。ある時、前田が練習後に落ち込んでいたから、『明日から来なくなるかもしれない』と思って、『強くなったな。半年後には俺がやられるかもしれない』って声をかけてやったんだ。そうしたらアイツは、『本当ですか!』ってうれしそうに目を輝かせてな(笑)。あの顔は忘れられないな」

 藤原は続けて、後輩を指導する時の極意を明かした。

「人にものを教えるっていうのは簡単でな。褒めればいいんだよ。褒められるとうれしいだろ? そうすると一生懸命やるようになって、強くなる。それで、俺もいい"研究"ができるようになる。そこまでくれば、コーチの役目は90パーセント終わりさ。この指導法のよくない点は、後輩がテングになる、ということかな」

 さらに藤原と熱心にスパーリングを行なった選手を聞くと、「船木(誠勝)、鈴木(みのる)、高橋(義生)......そんなところだよ」と明かした。その選手たちはのちにレスラーとして大成したが、その才能を当初から感じていたのだろうか。

「そんなもん、最初から才能なんかわかるわけねぇよ。半年くらいするとわかってくるけどな。言えることは、俺にくっついてきたやつらは才能があったってことだよ」

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