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ムエタイ界の至宝・吉成名高がONE初参戦 「新時代を切り拓く」 (2ページ目)

  • 篠﨑貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • 安川結子●撮影 photo by Yasukawa Yuko

【ONEのルールと適応】

――ONEのルールは、吉成選手がこれまで戦ってきた伝統的なムエタイ(純ムエタイ)とは異なる点が多いと思います。大きくは、オープンフィンガーグローブ(OFG)の使用、5ラウンドではなく3ラウンド制、ラウンド間のインターバルが1分。この辺りの違いについてはどう感じていますか?

「ラジャダムナンでの試合は、インターバルが2分なので、1分になると短くは感じます。ですが、日本で開催されるムエタイの大会はインターバル1分が多いので、そこはあまり気にならないですね。やっぱりいちばんの違いはグローブで、OFGになることで、戦い方を攻撃的なスタイルにシフトする選手も多いです。でも、僕はそこには付き合わず、自分のスタイルを貫こうと思っています」

――ONE仕様にするのではなく、吉成選手がいままで培ってきたスタイルで戦うと。

「そうですね。もちろん新しいことも取り入れたりはするんですけど、基本的には自分の戦い方でいきます。相手の攻撃はかわして自分の攻撃だけを当てる。相手がどんな戦い方をしてきても、このスタイルを崩さずに戦えば勝てると信じています。今までもずっとそうやってきました。全局面で相手を上回って、手詰まりにする戦いを目標としています」

――昨年12月、シュートボクシングの大会で、初めてOFGを着用して戦いました。感触はいかがでしたか?

「やはり(グローブの)面積が小さいので、パンチがガードの隙間を抜けて来やすいことは試合中に感じました。逆にこちらもピンポイントで狙いやすいので、その点はすごくよかったですね」

――ONEで使用するのは、4オンスのOFGです。薄さについてはどう感じました?

「従来のボクシンググローブと比べたらめちゃくちゃ薄いです。最初は、自分が打ったパンチで拳をケガしてしまうとか、そういう心配もあったんですけど、しっかり狙ってちゃんと当てられれば、その可能性も低くなると感じました。それから、OFGも団体によって違いがあると思いますが、ONEのOFGは、超硬いです」

――吉成選手は拳が硬い、と伺いましたが、ONEの硬いOFG、フィット感はいかがですか?

「元々パンチが得意で、特に左のパンチは、トレーナーさんから『石みたいに硬い』と言われるくらいなので、ONEのOFGであれば、その硬いパンチがより活かせると考えています。面ではなく、点で当てる感じで、より一撃の威力が増したと思います」

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