キャリア25年のリングアナが振り返る、「あれ抜きにRIZINは語れない」という対抗戦 リングに上がる選手たちへの思いも語った (3ページ目)
――ここからは、太田さんのなかで特に印象に残っている大会、試合を教えてください。
太田 那須川天心vs武尊がメインだった『THE MATCH2022』もそうですが、RIZINで言うと、同年の大晦日に行なわれた『RIZIN.40』の BELLATORとの5対5の全面対抗戦ですね。RIZIN側の全敗でしたけど、未来が見えないような負け方ではなく、「世界にはこんなに強い選手がいるんだ」と新たな発見ができました。また、オープニングでPRIDEのテーマ曲が流れましたが、PRIDE時代は個人的に苦労したことも多かったので(笑)、いろんなことを思い出しました。
――PRIDEのテーマ曲が流れ、RIZINとBELLATORの垂れ幕が下りた瞬間、お客さんがどよめきましたね。
太田 あの旗はすごくよかったですね。でも、一緒にPRIDEを盛り上げたリングアナのレニー・ハートさんがポリープの手術を受けてあの場にいなかったので、「レニーさんのコールが足りないな」とは思いましたが。それがあればより完璧でしたね。いずれにせよ、あの対抗戦抜きにRIZINは語れません。
――大きな大会で言うと、国立競技場に9万1107人を集めた、2002年の『Dynamite!』はいかがでしたか?
太田 あの時は、僕がまだ格闘技にのめり込んでいなかったですし、「仕事のひとつ」という感じでした。国立競技場と言えばサッカーのイメージが強くて、「日本代表がここで試合をしているんだ」と思っていました。国立の芝生を触ることなんてないですからね。ブルーシートみたいなものが敷いてあったんですけど、ちょっとめくって芝生に触れたりして、「ああ、こんな芝なんだな」なんて思ってました(笑)。
『Dynamite!』は、お祭りのような雰囲気でしたね。アントニオ猪木さんがパラシュートで降りてくる演出や、夏の屋外だったこともあって、「ワッショイワッショイ」という感じの盛り上がりがありました。試合を見るお客さんの"仕上がり具合"という点では『THE MATCH2022』がすごくて、本当に異様な雰囲気でしたよ。
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