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キャリア25年のリングアナが振り返る、「あれ抜きにRIZINは語れない」という対抗戦 リングに上がる選手たちへの思いも語った (5ページ目)

  • 篠﨑貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro

――約25年間、リングアナとして格闘技を盛り上げ続けてきた太田さんが思う格闘技の魅力とは?

太田 シンプルに、「強いか、弱いか」を決めるところでしょうか。試合を見れば見るほど、選手は"いい意味でぶっ飛んでいる"と思います。たとえば7月の『超RIZIN.3』では、約4万8000人の観客の前で勝敗が決まってしまうわけですから。

 もちろん「強くありたい」という気持ちはわかりますけど、一般の社会では、そんなに大きな賭けをしたいと思う人は少ないはずです。でも、それを望んでリングに上がる。その異様さに惹かれてしまう部分がありますね。煽りVTRで描かれる彼らのストーリーでそのバックボーンがわかると、ますます選手に愛着が湧いてくるんです。

 本来は痛いのを見るのが嫌で、試合で血が出ると引いてしまうこともあります。それでも、あのリングに上がる選手たちは特別な存在で、そこに惹かれているんでしょう。

――多くのファンも、そこに熱狂しているんでしょうね。

太田 リングは、選ばれた選手が上がる場所です。時には、「あの選手には資格がない」なんて意見も見聞きしますが、実際にリングに立っている選手たちは、やっぱり選ばれた人間なんだと感じます。その選手たちが勝って雄叫びを上げる姿、負けて崩れ落ちて泣く姿を見ると、胸にきますね。

『超RIZIN.3』では、ケイト・ロータス選手がRENA選手に負けて、本当に悔しそうに泣いている姿を見て、もらい泣きしました。格闘技はただ試合をするわけじゃない。選手個人の物語、家族や仲間の物語でもあると思います。そこが本当に面白いし、たくさんの人に見続けてほしい。ファンのみなさんはもちろん、これからRIZINを見るという方も、選手たちの成長や葛藤などに注目しながら楽しんでほしいです。

【プロフィール】
■太田真一郎(おおた・しんいちろう)

3月20日、神奈川県生まれ。青二プロダクション所属。
テレビ、アニメ、ラジオ、そしてリングアナウンサーとして、さまざまなジャンルで活躍。テレビでは『スッキリ!!』『サンデー・ジャポン』『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』など数多くのテレビ番組のナレーションを担当。アニメ『キン肉マン 完璧超人始祖編』ではアナウンサー役を務めている。リングアナウンサーとしても約25年間にわたりPRIDE、DREAM、RIZINなどの格闘技イベントを盛り上げ、選手やファンの心に響くコールを届け続けている。

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