東京女子プロレスの鈴芽が語る、遠藤有栖と築き上げた絆 「勇気をあげられるレスラーになりたい」 (5ページ目)

  • 尾崎ムギ子●取材・文 text by Ozaki Mugiko

「カラフルなタッグになりたい」と、鈴芽は考えている。これまで負けても勝っても、その度に有栖とふたりで成長してきた。もっといろいろなチームと闘って、もっといろいろなものを吸収して、全部の色を手に入れていきたい。

 課題はあるかと聞くと、「私がもっと強くならなきゃ」と言う。タッグ力や有栖の成長に関しては、このままいこうと思える。しかし、隣で遠藤有栖のすごさをずっと感じてきたため、「止まっていると置いていかれてしまう」という焦りもある。

「一歩踏み出す勇気をあげられるレスラーになりたいです。『明日も頑張ろう』とか『何かに挑戦してみよう』とか。そんななかで『プロレスをやりたい』『東京女子に入りたい』と思ってくれる子もいるかもしれない。試合を通してそういう勇気をあげられるレスラーになりたいです」

 プロレスラーにインタビューをすると、"その人の試合っぽい"インタビューになるから面白い。頭をフル回転して試合をしている鈴芽は、やはりインタビューでも頭をフル回転して言葉を紡いでくれた。そんな話を彼女にすると、「確かに有栖と一緒に取材を受けると、擬音語ばっかりで有栖っぽいです」と笑った。

【プロフィール】
鈴芽(すずめ)

1998年11月27日、茨城県生まれ。高校卒業後、工場の事務員として働いていたが、辰巳リカに憧れて東京女子プロレスに入門。2019年8月25日、後楽園ホールでデビュー(鈴芽&舞海魅星vs. 中島翔子&里歩)。2024年2月10日、遠藤有栖とのタッグ・でいじーもんきーで「第4回"ふたりはプリンセス"Max Heart トーナメント」初優勝。3月31日、両国国技館大会にて、水波綾&愛野ユキが持つプリンセスタッグ王座にでいじーもんきーで挑戦し、勝利。第16代王者となる。152cm。

【大会情報】
■大会名:WRESTLE PRINCESS V
■日時:2024年9月22日(日) 開場13:00 開始14:00
■会場:千葉・幕張メッセ国際展示場展示ホール6
■対戦カード:プリンセスタッグ選手権試合
<王者組>鈴芽&遠藤有栖 vs 山下実優&伊藤麻希<挑戦者組>
※第16代王者組3度目の防衛戦。

■詳細はこちら>>

著者プロフィール

  • 尾崎ムギ子

    尾崎ムギ子 (おざき・むぎこ)

    1982年4月11日、東京都生まれ。上智大学外国語学部英語学科卒業後、リクルートメディアコミュニケーションズに入社。求人広告制作に携わり、2008年にフリーライターとなる。プロレスの記事を中心に執筆し、著書に『最強レスラー数珠つなぎ』『女の答えはリングにある』(共にイースト・プレス刊)がある。

【写真】東京女子プロレス「でじもん」鈴芽フォトギャラリー

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