井岡一翔とマルチネスの統一戦を米識者3人が予想 スキルvsラッシュの激闘を制するのは?
井岡一翔(志成)に統一戦の舞台が巡ってきた。
4階級制覇を果たし、現在はWBA世界スーパーフライ級王座を保持する井岡が、7月7日に両国国技館でIBF同級王者フェルナンド・マルチネス(アルゼンチン)を迎え撃つ。マルチネスはジェルウィン・アンカハス(フィリピン)に2連勝した危険な"ラッシャー"であり、好ファイトになることは必至だ。
同階級では6月30日にジェシー・"バム"・ロドリゲス(アメリカ/帝拳)が、ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)に7回KOで完勝してWBC王座を奪取。試合後、ロドリゲスが「井岡vsマルチネスの勝者と対戦したい」と公言したこともあって、日本での戦いはより大きな注目を集めるに至った。
この興味深い統一戦はどんな展開、結果になるのか。軽量級に精通する3人の米メディアの識者に3つの質問をぶつけ、試合の行方を占ってみた。
統一戦を戦う井岡一翔(左)とフェルナンド・マルチネス photo by 日刊スポーツ/アフロこの記事に関連する写真を見る
【WBA、IBF世界スーパーフライ級王座統一戦】
◆WBA王者/4階級制覇王者:井岡一翔(35歳/31勝[16KO]2敗1分)
12回戦
◆IBF王者:フェルナンド・マルチネス(32歳/16戦全勝[9KO])
【パネリスト】
●エイブラハム・ゴンサレス(『FightsATW.com』の創始者で、全米ボクシング記者協会の会員。『リングマガジン』のPFPランキング選定委員でもある。Twitter : @abeG718)
●ライアン・オハラ(『Yahoo! Sports』、『FightsATW.com』のライター。全米ボクシング記者協会の会員。Twitter : @OHaraSports)
●ウラジミール・リック(『リングマガジン』、『Boxingscene.com』などで執筆してきたベテランボクシングライター。Twitter : @VladimirLik)
Q1.井岡vsマルチネス戦の注目ポイントは?
ゴンサレス:35歳という井岡の年齢が、この試合をより興味深いものにする。マルチネスも32歳だが、積み重ねた"マイレージ"は日本のレジェンドのほうがはるかに上。リング中央での中間距離での戦いか、あるいは接近戦になるか、距離の取り合いが勝負のカギになるだろう。
聡明な井岡は相手に簡単には接近を許さず、上質なフットワークで適切な位置取りをしてくるはずだ。シングルかダブルのジャブを打ち込んだあと、足を踏ん張っての右強打か左ボディフックを決めるのが井岡の得意な攻撃パターン。自身のペースと距離を掴めば、ベテランボクサーの勝利が見えてくる。
一方のマルチネスは真正面から攻める選手であり、ボディと顔面に打ち分けるのが上手ではあるが、そのスタイルは相手を驚かせるものではない。それでも序盤からボディにパンチを決められれば、井岡を弱らせ、後半に活路を見出せるかもしれない。
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著者プロフィール
杉浦大介 (すぎうら・だいすけ)
すぎうら・だいすけ 東京都生まれ。高校球児からアマチュアボクサーを経て大学卒業と同時に渡米。ニューヨークでフリーライターになる。現在はNBA、MLB、NFL、ボクシングなどを中心に精力的に取材活動を行なう