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大島沙緒里が双子の母になり柔道を引退→「ちょっと運動を」と始めた格闘技でRIZINのリングに辿り着くまで (2ページ目)

  • 篠﨑貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro

【「ちょっと運動を」からRIZINへ】

――試合では積極果敢に打ち合う場面もありますが、別のスイッチが入るんですか?

「試合ではアドレナリンが出ているのもあると思うんですけど、当てられたらやり返さないと負けちゃうので。試合中は痛みも感じないし、怖いとも思わないんですよね」

――RENA選手は打撃力が高い選手ですが、スパーリングなどで相手をすることはありますか?

「やります。当たり前ですが、うまくて強い。こっちのレベルに合わせてくれますけど、全然かなわないです。RENA選手は寝技も強いですよ」

――AACCには女子のトップ選手が集まっています。いい練習ができるなどメリットもある一方で、"同門対決"を避けると試合が順番待ちになることもあるのでは?

「そうですね。でも正直なところ、自分でもここまで来られると思っていなかったんです。もちろん格闘技を始めた時は上を目指していましたが、DEEP JEWELSにはパク・シウ選手もいたり、強い選手がたくさんいたので、RIZINまで辿り着くとも思いませんでした」

――柔道では国内トップクラスでしたが、格闘技ではそこまで自信が持てなかった?

「そうですね。ただ柔道も、19歳以下の大会(全日本ジュニア・2014年)では優勝したんですが、その時は44kg級でしたから。20歳以上になると48kg級からなので、私の体格(149cm)だと体重が足りなくなって厳しかった部分があります。ただ、私と同じ位の身長の選手でもオリンピックに出たりしていますし、ただ単純に自分が弱かったから、大きな舞台には届かなかったということです」

――柔道時代の最終目標は、やはりオリンピック?

「オリンピックは最終選考にも出られなかったので、視界に入っていませんでした」

――柔道でのキャリアを終えた後に格闘技の道に進んだのは、戦うことに未練があったからですか?

「柔道は、結婚して子どもができたので引退しました。子どもが生まれた後も『まだ柔道を続けたい』という気持ちがありましたが、子育てを優先したんです。でも、その後に東海大学柔道部の同級生(本野美樹)が格闘技の試合に出場すると聞き、応援に行ったら『自分も......』となったんです」

 でも、最初は軽い気持ちで始めたんですけどね。日々の家事と子育てに追われて、まったく体を動かせていなかったので、ちょっと運動をしたくなったんです」

――それが、今ではRIZINのリングに上がっているわけですから、人生はわからないものですね。

「やっぱり、勝ちたくなるんです(笑)」

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