ONE初参戦の武尊にK-1のレジェンド武蔵が送った「日本を背負う」気持ちよりも大切なこと (4ページ目)

  • 松岡健治●取材・文 text by Matsuoka Kenji

武尊 武蔵さんにそう言っていただけるのはありがたいですけど、(天心戦は)3ラウントという契約だったので、「僕が勝てなかったというだけ」と捉えています。ただ、僕はあの試合で負けたままで終わりたくなかったんです。ずっと応援してくれたファンに対して、負けた姿が最後というのは申し訳ない。だから、またやろうと思いました。

武蔵 俺は現役時代、世界の強敵に何度も負けたけど、武尊くんが言ったように「負けたままで終われるか」って毎回思ってた。こう見えても、俺はかなり負けず嫌いだから。もう1回勝ちたい。それだけを胸に這い上がっていったよ。

――最後に武蔵さんから、スーパーレック選手に挑戦する武尊選手にアドバイスをお願いします。

武蔵 そうですね......自分のためじゃなく、日本を背負って頑張ってほしい!

武尊 さっきと言っていることが違いますよ!(笑)

武蔵 そうだっけ!?(笑) 冗談はさておき、とにかく楽しんでほしい。そうすれば、自然とあの武尊スマイルが出ると思う。もしかしたら、スーパーレック相手に笑いっぱなしかもしれないよ(笑)。そうなれば見ている人も楽しめて、結果もついてくるはずだから。

武尊 そうですね。今回は練習でも、これまでにないほど追い込んでます。「今回の試合が最後だ」というぐらいに気合いが入っている。練習をやりきって、試合に勝って......その次は、勝った後に考えようと思います。

武蔵 「今回が最後」という気持ちは、試合への思い入れがそれほど強いことの表れだと思う。だからこそ、俺は楽しんでほしい。「楽しむ」って言葉は軽く受け止められるかもしれないけど、リラックスすれば自分の本来の動きも出せる。もちろん、プロだから勝つのは最優先。どんな内容でも勝つことが大事。そのためにも思いっきり楽しんで、あのスマイルで勝ち名乗りをあげてほしい。とにかく全力を出してくれ! 押忍!

武尊 ずっとお話したかった武蔵さんから、参考になる言葉をいただいて気合いも入ったし、パワーをもらいました。ありがとうございました!

【プロフィール】
■武蔵(むさし)

1972年10月17日生まれ、大阪府出身。1995年に「K-1 REVENGE II」でのK-1デビュー戦を2ラウンドKO勝ちで飾る。その後、K-1 JAPAN GPを4度制覇し、2003年、2004年にはK-1 WORLD GPにおいて、2年連続で準優勝を成し遂げるなど、強豪ひしめくヘビー級で活躍した。現役時代の戦績は85戦49勝(19KO)30敗5分1無効試合。2009年に引退後は、バラエティやYouTubeなど幅広く活躍している。

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■武尊(たける)

1991年7月29日生まれ、鳥取県出身。2011年9月24日、「Krush.12」でプロデビュー。2015年4月に初代K-1スーパー・バンタム級王座決定トーナメント、2016年11月に初代K-1フェザー級王座決定トーナメントを制して2階級制覇を達成。2018年3月の「K'FESTA.1」では第4代K-1スーパー・フェザー級王座決定トーナメントで優勝し、前人未到・K-1史上初の3階級制覇を成し遂げる。2022年6月に中立のリングで那須川天心と対戦。その後、ONEチャンピオンシップと契約を結び、2024年1月28日にONEデビュー戦を迎える。戦績は43戦41勝(25KO)2敗。

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