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安納サオリがノアのリングに立って定めた次の目標とは 盟友への信頼と嫉妬を吐露 (4ページ目)

  • 大楽聡詞●取材・文 text by Dairaku Satoshi
  • 田中亘●撮影photo by Tanaka Wataru

――おふたりがあえて交わろうとせず、別々の道を歩んでいるのかと思っていました。

安納 私としては「交わるチャンスが来ない」という感じでした。その間、なつみみたいな存在をどこかで探していた自分がいます。正反対なキャラクターが、パートナーとしても、友達としても居心地がいいんです。離れていてもずっとパートナーであり、ライバルだったからこそ、なつみがスターダムに上がったことは悔しかった。

 私はそんな思いを口にしたことはなかったので、なつみに伝えたら「さおり、そんなこと思ってたんだ」とびっくりしていましたよ(笑)。

――それを伝えたのは、7.2横浜大会の試合が終わった後ですか?

安納 闘う前ですね。お互いの気持ちを話したからこそ、あの闘いができました。なつみは今でもライバル。私たちにとっての褒め言葉は「悔しい」です。「今日の試合どうだった?」と聞いて、「悔しいわ!」と言われると嬉しいんです。

――現在、なつぽい選手とのタッグチームで「ゴッデス・オブ・スターダム王座」も保持しています。

安納 タッグを組むなら「似たもの同士がいい」という人もいますが、私となつみは真逆だからこそいいと思っています。ふたりでいろんなことに挑戦してきたけど、今までベルトを巻くことはなかった。だから、初めてお揃いのタッグのベルトを獲得できたことが嬉しい。同じ日に、同じリングでデビューしてから8年が経っていましたから。

――安納選手の、今後の目標を教えてください。

安納 先のことを考えるのは苦手で(笑)。あのベルトが欲しいとか、具体的なものはないです。毎試合毎試合、目の前の闘いを全力で頑張っていたら、自ずと自分が行きたいところに行けると思っています。

 ただ、さっきも話したように「何千人、何万人の前に立ちたい」という夢は今も変わりません。その場所に辿り着くために、ひとつひとつの試合を一生懸命闘う。今回の取材なども含め、リング外の活動も本気でやっていけば、いつか実現できると思っています。

【プロフィール】
安納サオリ(あのう・さおり)

1991年2月1日生まれ、滋賀県出身。160㎝56kg。高校卒業後、上京し女優活動。アクトレスガールズの代表に誘われプロレスラーに。2015年5月アクトレスガールズ旗揚げ戦でデビュー。2017年7月、自身初のベルト「プリンセス・オブ・プロレスリング王座」を戴冠。2018年9月に初代AWG王者に輝く。2019年12月にアクトレスガールズ退団、フリーとして活動。2022年6月にはアイスリボンの至宝「ICE×∞王者」を奪取。2023年4月スターダムに6年ぶりに登場。KAIRI・なつぽいとのトリオで「アーティスト・オブ・スターダム王者」に。現在、スターダムでは「COSMIC ANGELS」に所属し、なつぽいとのタッグで「ゴッデス・オブ・スターダム王座」に君臨する。

【写真】女子プロレスラー 安納サオリ フォトギャラリー

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