東京五輪ボクシング金の入江聖奈「過去の栄光にすがらない」。大学院でのカエル研究のため「生理的にダメな数学を克服しないと...」 (4ページ目)

  • 門脇正法●取材・文 text by Kadowaki Masanori
  • 吉楽洋平●撮影 photo by Kichiraku Yohei

【ゼミの研究は「浮気の境界線」】

ーー日本体育大学へ進学した理由は?

 まず日体大に決めたのは、ボクシング部の女子部員が多いのと、ボクシング場がすごくきれいなのと...あとすごくサポートしていただける体制が整ってたからなんです。

 高校時代みたいな4時間練習もなくて、練習は2時間くらいできっちり終わるので、最後まで集中できる。何よりボクシング部の同期の存在が私にとってすごく大切で、本当に頑張れました。特に、女子の同期が本当にすばらしくて、大学だと同期しか友達がいないくらい、いい同期なんですよ。

 大学の成績は可もなく不可もなく......ちゃんと卒業できると思います。他の人と成績をあまり比べたことはないんですが、たぶん女子の同期のなかでは2番目くらいになると思います。5人中ですけど。

ーーゼミでは「浮気の境界線」を研究していたそうですね。

 大学3年のゼミの時に、みんなで何研究しようかという話になって、どこからが浮気だと大学生は感じるのかと。もうすでに結果は出てるんですが、いくつかの項目をインタビューしてみて、大学生が急に浮気だって思うところが、「異性と事務的ではない、プライベートなやりとりを毎日していると疑われる」という結果になりました。

 つまり、「今日、何を食べたの?」「今日、どこへ行ったの?」という会話が毎日続くようになると、大学生からは浮気だって思われちゃうんですよ。パートナーのいるみなさんは、大学生の前で、そういうプライベートな会話を毎日するのは避けたほうがいいですね!(笑)

インタビュー後編<入江聖奈「カエルはラブリーで尊い」。ボクシング継続を望む声にもキッパリ「きつい練習するのは私なんで」>

【プロフィール】
入江聖奈 いりえ・せな 
元ボクシング選手。日本体育大学4年。2000年、鳥取県生まれ。小学生の時にボクシング漫画『がんばれ元気』(小学館)を読んだことをきっかけに競技を始める。2018年、高校3年で全日本女子選手権初優勝。2019年、世界選手権に初出場しベスト8入り。2021年の東京五輪では女子フェザー級で日本ボクシング史上、女性初となる金メダルを獲得。2022年11月のアジア選手権で2位。同11月の全日本選手権2連覇を最後に現役引退。2023年4月からは東京農工大学の大学院でカエルの研究を始める。

【著者プロフィール】
門脇正法 かどわき・まさのり 
1967年、埼玉県生まれ。日本女子体育大学大学院スポーツ科学研究科修士課程修了。アニメ『ドラゴンボールZ』の脚本家である小山高生氏からシナリオを学び、マンガ原作者デビュー。特にスポーツアスリートの実録マンガを得意としており、『世界再戦ー松坂大輔物語ー』(集英社/少年ジャンプ)、『好敵手ー室伏広治物語ー』(同)、『闘球「元」日本代表ー福岡堅樹物語ー』(集英社/ヤングジャンプ)の原作を担当。現在はマンガの原作だけでなく、「少年ジャンプ」のスポーツ記事特集『ジャンスタ』を中心に、『webスポルティーバ』の「文武両道の裏側」など、スポーツライターとしても活躍中。著書に『バクマン。勝利学』『少年ジャンプ勝利学』(ともに集英社インターナショナル)などがある。

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