東京五輪ボクシング金の入江聖奈「過去の栄光にすがらない」。大学院でのカエル研究のため「生理的にダメな数学を克服しないと...」 (2ページ目)
【中学時代に母親と大ゲンカ「鬼じゃないかって!」】
ーーボクシングに関して、思い残すことはまったくないですか?
この間(2022年11月11日決勝・銀メダル獲得)、ボクシングのアジア選手権があったんです。その時に、自分のために頑張るボクシングはあの大会で終わったのかなと、私のなかでは思っています。
たぶん、全日本選手権(2022年11月27日)まで頑張ったら、もう未練ゼロだと思います。(※インタビューは2022年11月中旬に行なった。後日、全日本選手権で優勝)
ーーイメージ的には、ボクシング漫画『あしたのジョー』(講談社)の矢吹丈みたいに、真っ白な灰になってしまう感じですか?
あれくらいきれいに燃え尽きたいですよね。
ーーところで、ボクシングを始めるきっかけがボクシングマンガとのこと。1976〜1981年に週刊少年サンデーに連載された名作『がんばれ元気』(小学館)だったそうですね。
小学生の時に『がんばれ元気』を読んだんです。人間模様とかストーリーとか全部好きで、ボクシングを頑張ってる主人公の堀口元気がすごくカッコよく見えました。
私はすぐに影響されちゃう人間なので、ボクシングをやれば堀口元気みたいになれる。堀口元気みたいな人生を歩めるはずだと、勝手に勘違いしてたと思うんですよ(笑)。
インタビューに応じる入江この記事に関連する写真を見るーー小学2年生からボクシングクラブでボクシングを始め、中学時代は陸上部にも所属。陸上部での練習が、ボクシングに活きましたか?
シンプルに走る力はだいぶついたかなと。お母さんが昔、陸上の100mをやっていて、小学生の時には国立競技場で走ったことがあるくらい速かったそうなんです。それなのに、私にはボクシングのためにきつい中距離をやりなさいと言ってきて。
その時は、めちゃくちゃケンカしましたよ。鬼じゃないかって! でも、それが活きたと思うので、今はお母さんに感謝してます。
それに、ボクシングのコーチは「走れ!」と言う方が多くて、合宿とかでも、私は体力的に全然余裕で、けっこう目立てたりしました。そういう意味で、陸上を3年間頑張ってよかったです。
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