東京五輪ボクシング金の入江聖奈「過去の栄光にすがらない」。大学院でのカエル研究のため「生理的にダメな数学を克服しないと...」 (3ページ目)

  • 門脇正法●取材・文 text by Kadowaki Masanori
  • 吉楽洋平●撮影 photo by Kichiraku Yohei

【中学時代は文武両道、高校では...】

ーー高校時代はボクシング一本でいくことになります。当時の入江さんは、ボクシングではどこまでいける、どこまでいきたい、と考えていましたか?

 短期的な目標で言えば、日本一に絶対なるつもりでやってました。長期的な目標はまだフワフワした感じでした。

 それが高校3年の時、全日本選手権のシニアの部で優勝できたことで、東京五輪の日本代表にもかなり近づいた感じがしました。それからは東京五輪で金メダルを獲りたいって具体的に意識できるようになりました。

ーー当時、どれくらい練習をしていたのか教えてもらえますか?

 高校では、毎日で午後4時から8時まで練習してました。長くて、ずっと時計を見ながら練習していて。その4時間練習を日々乗り越えるのに必死でした。

ーー高校時代は文武両道をできましたか?

 スポーツ推薦で大学に行く気満々だったので、どうしても勉強する気は起きないですし、赤点、いっぱいとってました(笑)。

 でも中学時代はちゃんと文武両道してましたよ。勉強と陸上を両立して、中学はちょっと賢かったかな......。塾には行ってなかったけど、(通信教育の)進研ゼミで頑張ってテストの点数をとれるようにしてました。

ーー両親から文武両道について何か言われたことはありましたか?

 私はひとりっ子なんで、本当に自由気ままに育てられてきたんです。教育方針もそうで、「勉強しろ」とか言われたことはなくて、何時間ゲームしてても何も言われませんでした。

 特にお父さんが甘くて、勉強じゃないんですけど、好きなように食べるのが一番おいしいという方針で育てられてきたこともあって、私はテーブルマナーを知らないんですよ。それが今、私が一番焦ってることですかね。

ーーちなみに得意科目と不得意科目は何になりますか?

 得意な教科は英語で、不得意なのは数学ですね。英語は、スピーキングとリスニングは苦手だったんですけど、ライティングはけっこうテストでは満点とれるくらいでした。中学生の時の話ですが、今でも英語の勉強は苦じゃないので、中学の頑張りが活きているのかなと思います。

 数学は、なんか生理的にダメなんですよね。中学だけじゃなくて、高校も諦めていたんですよ。なんか本能的に理解できない感じで。でも今、カエルの専門書とかを読んでいて、いろんな数学の記号が出てくるので、なんとか克服しないといけないかなと......。

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