寺地拳四朗vs京口紘人を海外記者4人が予想。「拳四朗の判定勝ち」が多数も、ほぼ互角で京口にも勝機あり (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Kyodo News

トロ : 試合中、いつでも相手をKOするだけのパワーがあるボクサー同士の対戦だけに、予想は難しい。京口はより規律の取れたボクサーであり、好調時ではなくとも相手の弱点を炙り出す力を持つ。拳四朗も好選手だが、必要以上に被弾する傾向があるのが気になるところだ。

 京口がフルラウンドにわたって主導権を保てれば自ずと勝ちが見えてくるが、拳四朗のパワーには常に警戒が必要。今年度の最高レベルの緊張感あふれる激戦の末、京口が判定勝ちを飾ると見る。

ゴンサレス : 拳四朗、京口のようなハイレベルの世界王者が統一戦で対戦することは、ボクシング界にとっての喜びだ。接戦になると思うし、少し若い京口が有利という予想が多いが、私は経験豊富なベテランの拳四朗が相手のミスにつけ込み、僅差の判定勝ちを収めると見ている。

Q2.勝負を分けるカギは?

ドノバン : 京口は馬力のある選手だが、パンチ力では拳四朗が上だと感じている。京口のよさは、より規律が取れた攻めができるところであり、状況に応じてアウトボクシングをするのもいいかもしれない。拳四朗のほうも一発に頼らず、コンビネーションで攻め続ける必要があるだろう。

グレイ : スピード、スキル、機動力では拳四朗が上回っている。彼はディフェンスにも気を配ることができるから、京口が勝つためにはかなりの奮闘が必要になるのではないか。

 京口のほうがよりパワフルかもしれないが、拳四朗は巧さで穴埋めできる。リマッチでの内容を見る限り、拳四朗が敗れた矢吹との1戦目は地力が反映されたものではなかった。彼は本物で、この試合でも勝ち残るだろう。

トロ : いかに先手を取るかではなく、試合中にどちらが有効なアジャストメントを行なうかがカギになる。両者ともにシャープかつアグレッシブで、相手にプレッシャーをかける馬力ある。ただ、後退しながらでも戦えるのは京口のほうだろう。

 矢吹戦で初黒星を喫した時の拳四朗は、後ろに下がった際に顔面に強打を浴びていた。アウトボクシングができるのは実は京口のほうで、それに適応する術を見出せなければ、拳四朗にとって厳しい戦いになるかもしれない。

ゴンサレス : アグレッシブな攻めの京口と、辛抱強く的確な拳四朗の激突という構図になるだろう。京口は前に出てジャブをつき、左ボディと右オーバーハンドにつなげようとするはずだ。

 一方、拳四朗は相手のジャブをはね除け、コンビネーションやカウンターを放つ距離にいようとするに違いない。ボクシングは"スタイル次第(Styles make fight)"という言葉があるが、この2人は完璧に噛み合うはずだ。

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