ウナギ・サヤカは「普通」よりも嫌われるほうを選ぶ。「感情を動かしてナンボなんで」
■『今こそ女子プロレス!』vol.6
ウナギ・サヤカ 後編
(前編:売れないタレント時代に、プロレスは「踏み台」のつもりで始めた>>)
2020年11月、スターダムに参戦し、中野たむ、白川未奈と共に「コズミック・エンジェルズ」を結成したウナギ・サヤカ。12月にはアーティスト・オブ・スターダム王座のベルトを戴冠した。
これまでの歩み、今後についても語ったウナギ・サヤカ photo by 林ユバこの記事に関連する写真を見る 翌年1月、エディオンアリーナ大阪大会にて「(スターライト・)キッドに負けて悔しいです。偉い人、もっと強い奴とシングルやらせてください!」と直訴。2月、「ウナギ・カブキ7番勝負」が行なわれることになった。対戦相手は、ジュリア、AZM、岩谷麻優、ひめか、小波、ビー・プレストリ―、朱里という強豪たちだ。その月の11試合中、7試合がシングルマッチという過酷な日々が始まった。
「ゲロですよね、マジで。言ったこっちも、あの7人が来るとは思ってない。麻優さんと朱里さんの時は、マジで試合中に泣きました。ジュリアさんもかな。私が立つまで鬼みたいな顔して待ってるんですよ。『お前、自分で立て』みたいな。普段って相手を立たせるじゃないですか。でも立つまで待ってる。立ったら立ったで来るし、立たないと怒ってるし。うわあ、やだなあって。めっちゃ怖かった」
特に岩谷とのシングルが忘れられないという。場外に出て、笑顔で待っている。テーピングを巻いているところを、ガンガン攻撃してくる......。
「『性格わるっ!』と思いました。でもそういうところから、『この人も死ぬほど試練を乗り越えてきたんだろうな』って感じて。試合のあとには、麻優さんがハイスピード(王座)に泣きながら挑戦する動画を見て、麻優さんもこんな時があったんだなあと。そういう意味で、麻優さんの存在は励みになりましたね」
7番勝負を通じて、成長を感じる余裕はなかった。しかし欠場せずに乗り越えられたことが、大きな達成感に繋がった。
「このメンツとシングルできるって、本当にないじゃないですか。死ぬほどラッキーだと思ったし、『7番勝負、試されてんのはそっちだぞ』くらいの感じでした。フニャフニャ小僧みたいな私とのシングルで、終わろうと思えば"瞬殺"できたと思うんですよ。でも、対戦相手の人たちが引き出してくれたのをすごい感じましたね」
3月3日、スターダム日本武道館大会では、オールスター・ランブルに出場。24選手が出場する中、最後に愛川ゆず希を破り、勝利した。
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